疾患について
対象疾患
くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)
突然なぐられたような頭痛がある場合、くも膜下出血を疑いCT検査が必要です。
くも膜下出血とは、原因の多くが脳動脈瘤の破裂で、好発年齢は50~60才代であり、危険因子高血圧、喫煙、家族性、ストレスなどが言われております。
未破裂能動脈瘤は通常の大きさでは自覚症状はありません。頭部MRI、MRAにて発見する事ができます。
未破裂能動脈瘤は必ずしもすぐに治療が必要なわけではなく、大きさや部位、形状などを加味した上で治療適応の判断を行います。
脳出血(のうしゅっけつ)
脳出血の多くが高血圧性です。高血圧を治療することにより予防できます。
高血圧に関して、収縮期血圧を積極的に120mmHgまで下げるグループと、収縮期血圧を積極的に140mmHgまで下げるグループを対象とした報告があります(SPRINT Reseach Group, et al. N Engl J Med,2015)。
2つのグループのどちらが「脳卒中を含む心臓血管系の疾患の罹患率、またそれらが原因の死亡率」を減らすことができるか調べたものです。
「収縮期血圧を積極的に120mmHgまで下げるグループ」の方が死亡率、罹患率ともに低いという結果でした。
もっとも、すでに動脈硬化が強く血管が狭くなっている患者様には当てはまらない場合はあります。
当院では、高血圧症でめまい、頭痛などがある患者様にはCT検査、頚動脈エコー検査等で動脈硬化(どうみゃくこうか)の程度を調べ、各個人に合わせて血圧コントロールを行っております。
脳梗塞(のうこうそく)
脳梗塞にはラクナ梗塞※1、アテローム(動脈硬化性)血栓性脳梗塞※2、心原性能塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)があります。いずれも一次予防には高血圧の治療はかかせません。
高齢化社会に入り、心原性能塞栓症が今後も増加することが予想されます。
心原性能塞栓症の多くが心房細動(しんぼうさいどう)という病気によるものです。
当院でもこの心房細動による脳梗塞をみる機会が多くなっております。この心房細動は1回、1日の心電図では判明しないことがあります。
当院では3日間心電図を測定することのできるイベントレコーダーを導入しており、循環器内科と連携して診断しております。
※1 ラクナ梗塞とは
脳梗塞の中でも、脳の深い場所を流れている細い血管が詰まってしまうことで起きる脳梗塞を「ラクナ梗塞」といいます。
※2 アテローム血栓性脳梗塞とは
脳の比較的太い血管に、動脈硬化が起きて、脳の血管が詰アテローム硬化とは、動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロした粥状物質がたまってアテローム(粥状硬化巣)ができ、次第に肥厚することで動脈の内腔が狭くなり、血流が減少ないし遮断される現象のことです。
めまい
「めまい、されどめまい」 とよく言われます。
めまいの多くは内耳性ですが、数%に脳梗塞が隠れており、医療者を惑わせるので、こう言われます。
特に診断が難しい疾患にワレンベルグ症候群という延髄梗塞です。
ワレンベルグ症候群は、脳の一部である延髄の外側が障害を受けて起こる神経の病気です。大体は、この部分の血管に問題があるときに起こります。若い人でも発症することがあり、一般的な脳梗塞とは異なります。「延髄外側症候群」とも呼ばれています。
ワレンベルグ症候群の症状は、急に頭痛やめまい、吐き気、ふらつきが始まることが多いです。感じる温度や痛みが変わったり、飲み込みや話すのが難しくなることもあります。
治療は、脳の血管の問題が多いので、脳梗塞の治療法が使われます。病気の進行具合によって、回復の見込みは変わってきます。この病気は早く見つけて、早く治療を始めることが大切です。
歩けない「めまい」は入院施設のある大病院をすぐに受診!
頭痛
頭痛もされど頭痛があります。「急激に発症する、殴られたような頭痛はくも膜下出血だ」ですが、
医療には例外も多いです。40歳女性。10年前に追突事故にあい、それ以来、頚部痛が持続していた。
掃除機をかけていて、首が痛んだ。翌日、整形外科に行ったが特に問題はなかった。
翌日になってもまだ痛いので、内科を受診、痛み止めをもらったが痛みがひどいので、
頭痛から3日後脳神経外科を受診し、頭のCTをとり「くも膜下出血」が見つかった。
頭痛があれば、まずCT検査
三叉神経痛
大後頭神経痛
顔面けいれん
坐骨神経痛